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外人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Disambiguationこの項目では日本語の単語の「外人」について説明しています。日本に居住する外国人については日本の外国人をご覧ください。

外人(がいじん)とは、「外国人」の略語である。本来は中立的な語であるが、用いられる文脈によっては、差別的感情や劣等コンプレックスなどのニュアンスが込められる場合もある。このため、差別用語として忌避されることがある。

目次

  • 1 歴史
  • 2 意味
  • 3 差別用語
  • 4 参照
  • 5 外部リンク

歴史

まず、漢字の「外人」は日本語の語彙に古くからあるものであり、元来はよそ者、関係のない第三者を意味したものである。この場合は現代の「がいじん」とは別物である。

日本における西洋人の最初の呼称は「南蛮人」である。1542年に初めてポルトガル人が日本を訪れた際、彼らは南から船で渡ってきて、また身なりが当時の日本の基準からすると野暮ったいと見られたため、そう呼ばれた。この名称は中国語から採用されたもので、多くの南方の人々に対して使われていた。このほかオランダ人は髪の毛が赤く見えたことから「紅毛人」と称され、その後は「南蛮人」とともに西洋人の意味として用いられるようになった。1854年の開国から20世紀の初頭までは、「異人」が「異国人」や「異邦人」の略語として西洋人を呼ぶのに用いられた。明治時代になると、大日本帝国の領土内に住む日本人を「内国人」と呼ぶのに対し、大日本帝国外出身の日本に住む住人を「外国人」と呼んだ。「内国人」は第二次世界大戦以降使われなくなったが、「外国人」は非日本人に対する政府の公式用語として残った。

意味

外人(がいじん)は、一般には日本語の「外国人」の略語である。多くの場合、会話で使われるが、外人部隊・外人投資家などの表現は新聞でも使われるので一概には決められない。「外人」という言葉は会話においては一般に非東洋系の外国人、特に西洋人に対して使用される。一方、日本と交流の歴史が長い国の人々は「中国人」「韓国人(朝鮮人)」「台湾人」のようにそれぞれの国名や民族名で呼ばれることが多い。このため「外人」あるいは「外国人」は、「非日本人」を指す一方で、日本国籍の有無による分類だけでなく、実際の用法において民族・人種的なニュアンスも含んだ語になっている。このような文化的要素による「外国人」を表す単語の用法の使い分けは欧米語も含めた他の言語にも見られる。また、本来は同じ意味であるが、日本語の習慣どおり略語が頻繁に会話で使われるうちに、日常語として上述の意味をも持つ「外人」と、公式用語としての「外国人」のニュアンスが異なるという現象も生まれた。近年では「外人」の使用が特に外国人・外人の前では控えられる傾向がある。しかしこの場合でも、東洋人は個別の国名を使って呼ばれ、他の黒人や白人はまとめて外国人と呼び変えられているだけなので用語は変わっても用法は変化していない。

差別用語

日本語においてポケットモンスターがポケモンになるなど略語は日本語の発音形式にあいまって非常に頻繁に使われる。また英語における英語のJapなどの表現と略語の「外人」がよく比較されるが、これは文法的には誤りである。日本語の略語(例:国連)は英語の略語(Acronym、例:U.N.)に相当するもので、英語においては単語の最初のアルファべットを取るように、日本語においては単語の最初の漢字をとることによって略語が形成された。一漢字の日本語における発音は一音か多くの場合は二音なので、英語などからの外来語にも単語の最初の一音か二音を取ることが略語の形成のルールとして適用されている(→略語)。欧米言語においても日本語においても略語は俗な表現ではない。しかし欧米言語では漢字と違い一単語そのものの発音が長い場合が多いので発音を短縮することが多い。これは俗あるいは下品な用法でありこれによってJap(Japanese)やPaki(Pakistani)などの単語が差別用語となる。日本語において朝鮮人を指すチョンがこれに当る。

日本語も含めどの言語でも「外国人」の単語が「非自国民」の意味で会話に使われることは多い。またこれはそれぞれの国の民族構成にも関わるが「外国人」が自国の民族で無いものを指す意味で使われる用法も存在する。たとえばイギリスにおいて正確には「外人」であるアイルランド人がForeignerと呼ばれることはほとんど無い。さらに「外国人」という単語を現地出身の混血や少数民族に使う差別的用法も存在する。一例を挙げれば、近年のアメリカのテレビ番組であるThat Seventies Showでその番組のただ一人の非白人であった登場人物を「The foreign one」と表現する冗談が全番組を通してたびたび使われた。しかし英語においては外国人にあたるForeignerに略語が存在しないためForeignerという単語自体が差別用語として認識されることはない。このように日常会話において外国人という単語を非自国民あるいは非自民族の意味で使う場面が必ずある。略語を会話で常用する日本語においては、「外人」がこの場面において常に使われることになる。このため特に近年まで日本における非東洋系外国人の代表であった欧米人の間で、「外人」は「外国人」いう表現と違い人種・民族的意味を持つものであるという認識が広まった。また近年増えてきた混血である日本人、日本の国籍を取得した非東洋人また日本の学校に通学する外国人の子供が「非自民族」の意味で外人と呼ばれる。とくに混血児を「外人」ときには「宇宙人」と呼ぶのはいじめを目的としている場合が多い。さらに日本人が意識的あるいは無意識に外国人を特別あるいは差別的に扱う場合にも「外人」の表現が使われるため、「外人」が暗に差別的意味をもつ言葉であるという認識が日本に在住する非東洋系の外国人の間に広がった。

これは「用法」と「用語」を混同することによった誤認である。これを説明するには知識を要することもあり、一般の日本人による明確な説明がなかったことにより、この誤認が日本在住の外国人の間に定着した。特に日本国籍を取得した欧米人によって「外人」が差別用語であると強く主張されることになる。上述のように、日本国籍を取得した非東洋人や混血の日本人は、人種の違いゆえに他の日本人から特別扱いされることがままあり、これらの人々が「外国人」と扱われることを嫌うこと自体は理解できよう。

さらに「外人」を略語でなく単語と見れば「外の人」つまり「よそ者」となり、外人の正確な訳は英語のAlienであると主張され、「外人」という単語が日本の閉鎖性を象徴するものであると言われるようになる。たしかに外人は平家物語などの相当に古い古語ではこのような意味があったが、この場合は外国人の略語である「がいじん」とは起源は別である。また映画「エイリアン」公開の影響もあり、「外人」は「alien」にあたるということで批判が集まった。しかしAlienの正確な日本語訳は「異人」あるいはこの略語のもとである異国人や異邦人である。これらの語が現代日本語においては死語に近いので、その代わりにAlienが外国人と訳されるだけである。外国人登録は、映画によるイメージ定着をきっかけに、日本の役所においてForeigner Registrationと訳されるようになったが、英語圏においてはいまだにAlien Registrationであり、和製英語の一例とも言える。

「外人」と全く同じ成り立ちの用語に「外車」や「外貨」や「外圧」などがあるが、これで日本人がドイツ車やユーロやアメリカの外交政策をけなしているわけでないのと同じである。「外人さん」や「外人の方」など一種の敬語的用法が存在するのも「外人」の用語自体が侮蔑の意味合いを持たないことの現れと考えられる。「外人」という呼び方を嫌う外国人にこの呼称を使用したことを難じられると理解できずに当惑する人が多い。「外人」という言葉を使うと、理由はともかく相手が嫌がるということで、外国人の前では使用を控えるということになる。しかし外国人の間でも日本社会の中での外国人の共同体を認識して「外人」の表現がよく使われる。特に日本語が堪能な者のなかには自分を指して「外人」という表現を使う者もいて、単に非日本人を指す言葉であり、一般人の会話における「外人」が差別用語ではないと認識している。しかし一部の欧米人の間では外人は英語のJapと同種のものであると主張するなど、あきらかに日本語に対する理解の不足からくる誤った主張をする者がいる。これとあいまって外人を差別用語とするのは欧米人の身勝手な主張であるという認識も存在する。「外人」は語義・成り立ちの上で明らかに差別用語でないので、これを差別用語とするのは言葉狩りであると主張される。これは欧米とくに英語圏での生活を経験し語学が堪能で欧米の言語においても「外国人」という単語が日本語と同じ用法で使われていることを知っている者のあいだでとくに指摘される。

英語のForeigner(外国人)は単語Foreignの人称である。Foreignの語源はラテン語のFontanus(外の)で、Foreignの基礎の意味は外部である。日本語の「異物」の訳はForeign Objectとなる。このもとの意味が外国に転じてこれを人称表現することによってForeigner(外国人)となる。Foreignerの直訳はまさに外人(よそ者)と外国人の両方である。Native(地元出身・地元産)でないものはForeign(この場合はエキゾチックの意味)と呼ばれる。また英語などの欧米語では中東・インドから東アジアまでの出身者を意味するはずであるAsian(アジア人)は、アメリカ英語で東洋系、あるいはイギリス英語でインド系の民族・人種だけを指す用語として使われている。また日本人が東洋人の少ない地域に住む場合「あの日本人・中国人・東洋人のヤツ」「That Japanese/Asian/Chinese guy」と表現されることがままある。これらのAsianやForeignerの用語や用法に対する批判は、日本に比べて少数民族が圧倒的に多いにもかかわらず英語圏では無いに等しい。にもかかわらず「外人」が差別用語であると主張するのは、たいてい自国で差別される経験がなく、非欧米の国で初めて少数民族となる白人の欧米人である。自らの言語における問題点は省みずにその内情を知らない日本人に対し、明らかに間違った日本語の理解を元に、日本語の略語の用法を無視した主張をするのは、欧米中心主義の差別的主張であると指摘される。

また最近欧米でも批判されている典型的なポリティカル・コレクトネスの一例であると主張するものもある。これは日本における言葉狩りに対する批判と同等のものである。日本の言論業界は事なかれ主義のため、差別用語であるとの主張を無批判で受け入れる傾向にある。略語の用法は、日本語の会話において単語の表現の基本になるもので、特別に「差別用語」の表現に注意を払うような者でない限り、「外人」の表現を使うのが自然である。また外人が差別用語であるという主張は用語と用法の混同にあるので、外人の「用語」を外国人に変換しても「用法」が変わるわけではない。これは言葉狩りに対する批判の全体に見られることであるが、問題の本質は一切変わっていないことになる。ただし、問題の本質が一切変わっていないからといって、一概に言い換えに意味がないと言うことはできない。

最近では「人外」という語が、「外人」が差別用語であるとする主張に対する反発する意味合いも含めて使用されることがある。「人外」は獣や妖怪をさす古語である。外人を差別用語とする論調は、「外人」という言葉を、正真正銘の差別用語に置き換えてしまうという皮肉な結果を生むことになったともいえる。

参照

  • 日本の民族問題
  • 日本の外国人
  • 帰化
  • 在日コリアン
  • 在日中国人
  • 在日台湾人
  • 日系人
  • 三国人
  • 帰化人、渡来人
  • 自民族中心主義
  • 有道出人

外部リンク

  • Japan Times readers' forum on "gaijin" and "gaikokujin"
"http://ja.wikipedia.org../../../%E5%A4%96/%E4%BA%BA/_/%E5%A4%96%E4%BA%BA.html" より作成

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