斧
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斧(おの)は、道具または武器のひとつ。 木を伐採し成型するほか、武器および儀式もしくは紋章のシンボルとして、何千年間にわたり使用されている、世界中に遍在する古い道具である。 和語では「よき」とも呼んだ。
斧は多くの特化された使用方法に応じて多くの形式があるが、通常は、木製の柄と、それに直角に固定された金属製の刃からなる。 道具としての斧の一般的な用途は、木を割ったり、枝を切り払うためである。こうした斧は手斧(ハンドアックス)とも呼ばれる。 武器として特化した斧には、柄を長くして破壊力を増した戦斧(バトルアックス)や、目標に向かって投擲する投斧(トマホーク)などがある。
また石器時代に使用された道具・武器として、石斧(せきふ)がある。 石斧はその製法により打製石斧と磨製石斧に分けられる。 技術の発達に連れ、銅、青銅、鉄および鋼で作られた斧が現われた。
最新の斧は、鋼の刃に木製(ヒッコリーを使うのが典型的)の柄でできているが、プラスチックやファイバーグラスの柄も珍しくない。 現代の斧は使用目的、サイズおよび様式ごとに特化している。 片手で使用するために設計された短い柄を持つ斧は、しばしば手斧と呼ばれる。しかし、手斧という語は、同時に柄のない斧をも意味する。 ハチェットは、しばしば刃の背にハンマーを備えていることが多い。
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歴史
手斧のような初期の石器は恐らく柄が付いていなかったと思われる。 最初の本当の柄付き斧は中石器時代(紀元前6000年頃)に始まることが知られているが、一部の地方では枝角で作られていた斧が新石器時代でも利用され続けた。 火打ち石で作られた切る道具は、柄が付けられ「ちょうな」として使われた。 磨製石器の石斧は、新石器時代以降に現れることが知られている。 それらは、木を切り倒し加工するために使用された。 木製の柄はほとんど見つかっていないが、斧は通常くさびを使って柄に取り付けられたようだ。 刃を固定するには、樺のタールや生革の紐が用いられた。 新石器時代の後期(ミシェルスベルク文化、Cortaillod文化)では、長方形の非常に小さな刃が一般的になった。 それらは柄に取り付けられるとき枝角のスリーブが付けられた。 これは、柄が割れることを防ぎ、同時に、石の刃自体への衝撃を和らげた。
新石器時代の初期では斧の刃は打製石器で作られ、次に、磨製石器になっていった。 新石器時代の晩期までには、製材(木製の鋸や砂)は一般的になった。 これにより、生の素材のより効率的な使用が可能になった。 スカンジナビア、北部ドイツ、およびポーランドでは、火打ち石の打製石器、磨製石器の刃を持つ斧が一般的だった。
石の斧は全く効率的な道具である; これを使用すると、直径10cmのトネリコ硬材を切り倒すのに約10分かかる。直径30cmならば1~2時間であった。 (現代の比較:3.5kgの競技用伐採斧を用いた場合、25cmのストローブマツ軟材が2分未満)
新石器時代の晩期以降(Pfyn-Altheim文化)平らな斧が、銅あるいはヒ素を混ぜた銅で作られていた。 青銅の斧は初期の青銅器時代 (A2) 以降見つかる。 平斧は、パルスターブ、フランジ付き斧、さらにその後、翼付き斧、ソケット付き斧へと進化していく。
紀元前第3千年紀?ヨーロッパのいわゆる戦斧民族は、初期のインド・ヨーロッパ語族、後のケルト人とドイツ人の先祖に当たると考えられている。 また、斧は中国の武器類で重要な役割を占めた。
「斧」を意味するプロトインドヨーロッパ語の単語は pelek'u(ギリシア語 pelekus、サンスクリット parashu)だったと思われる。しかし、この単語は恐らく究極的にはシュメール語 balag、アッカド語 pilakuと関係する借用語、あるいは新石器時代の wanderwort だったかもしれない。 (en:Labrys、en:Parashurama も参照せよ)
何千もの磨製石斧が粗仕上げされていた新石器時代後期の「斧工場」は、イギリス(例えばカンブリアの Great Langdale)、アイルランド(Lambay島、Porphyry、Rathlin島および Tievebulliagh、porcellanite)、ポーランド(Krzemionki、フリント)、フランス(Plancher-les-Mines、ボージュ山地、pelite、Plussulien、ブリタニー、meta-dolerite)およびイタリア (Val de'Aoste、omphacite) が知られている。 石斧の分布は有史以前の貿易を示す重要なサインである。 磨製石斧の刃の起源を決定するためにはその薄片を使う。
石斧は今日なおイリアンジャヤ(ニューギニア)の一部で作られ使用されている。 ハーゲン山地域は主要な生産の中心地だった。
象徴、儀式および民間伝承としての斧
少なくとも新石器時代後期以降には、精巧に作られた斧(戦斧、丁字斧など)は、宗教的な重要性を持っており、またその所有者の地位の高さを示したと考えられている。 ある種の斧は、ほとんど磨耗の跡が無い; 新石器時代中期の柄の無い斧の刃だけが蓄えられたもの(イギリスのサマセット・レベルのように)は、神への贈り物だったのかもしれない。 ミノア文明時代のクレタ島では、両刃の斧(labrys)が特別の意味を持っていた。 両刃の斧は新石器時代にまで遡る。 1998年には、精巧に装飾された柄の完備した両刃斧が、スイスのツーク、チャムエスレンで見つかった。 柄は長さ120cmで、装飾されたカバ樹皮で包まれていた。 斧の刃は長さ17.4cmで、Gotthard地域で採掘されたアンチゴライトで作られていた。 柄は両円錐形の穴を通し、枝角のくさびとカバタールによって固定されていた。 それは初期Cortaillod文明に属する。
ローマの束桿(ファッシ)では、斧が斬首する権能を表す象徴だった。
民間伝承では、石の斧が時々雷電であると考えられ、(神話的に)稲妻が同じ場所に2度落ちないと言われている(現在ではこれは真実でないと分かっている)ので、建物を稲妻から保護するために使用された。 このために、斧の伝播に偏りを引き起こした。
鋼の斧は、迷信においても重要だった。 投げられた斧は嵐を近づけない力があると考えられたので、ときどき収穫物を悪天候から守るため、刃を空に向けて農地の中に置かれた。 家の敷居の下に直立した斧を埋めると魔女除けになると言われ、また、ベッドの下に斧を置けば男子の誕生を保証すると言われた。
斧の形式
木の切断・成型のための斧
- フェリングアックス--木を伐るなど、木材を木目と垂直に切るためのもの。片刃または両刃があり、また重量、形、柄の形状、切断する素材の特性に合わせた切断形状には様々なものがある。
- スプリッティングアックス--木材を木目の方向に分割するために使用された。刃はよりくさびに近い形状である。
- ブロードアックス--木目の方向に精密に分割するために使用された。刃の形状はのみ状(片面は平らで、もう片面は斜角がつけられた刃)で、より精密な作業が可能なように作られている。
武器としての斧
- 戦斧
- ハールバット
- 投げ斧
- フランキスカ
- トマホーク
- ハルバード
- 大斧
その他の目的の斧
- 消防斧--頭部には刃の反対側にピッケル状の尖った台が付いている。
- プラスキー--刃の後部につるはしを備えた斧。根のまわりを掘ったり根を切ったりするために使う。
マクラウド(くわと熊手を組み合わせたような道具)に加えて、プラスキは、山火事の消火、道路建設、やぶの開墾には欠くべからざる道具である。
- モール--単純な「くさび」から複雑な意匠へ発展した、割るための道具。スレッジハンマーの打撃面の反対側に重いくさび形の頭を持つ。このほか、円錐形の「刃」や、旋回する「小くさび」をもつものもある。
- ハリガンバールと平刃斧の組み合わせは、建造物に押し入るために使用される。married setまたはset of ironとして知られる。
- ピッケル--さまざまな種類のピッケルが登山のために設計された。現在ではかつてほど多くは使われなくなったとは言え、特に登山者が足場を広げるために、岩場で用いる。右図に掲げた1872年の「旅行の芸術」出版物の中で、図1は足場を切り開くのに適した一枚刃と、ピックの平衡を保ち岩や氷にハーケンを打ち込むのに使える後部の小さなハンマーを備えた、軽くて使いやすい、小さな斧かピックを表わす。図2は旅行者の斧を示す。これは前者よりわずかに重いが、(少なくとも当時は)すべての種類の登山に適応できるとして推薦された。
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